私が今日した事、考えた事。

日々の生活の中での、出来事を報告します。。。

「江國香織」を読んで。。。

「すいかの匂い」

あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいに——バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。

無防備に出逢ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた……。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。

 

(感想)さすが江國香織!「すいかの匂い」の最後の文章を読んだ時、私の脚が「ゾワッ」となった。。。

後書きの川上弘美が書いた(江國さんのひみつ)に、江國香織のファンは、江國の書く小説について、「このお話、わかる」「じつは、私だって、そう思っている」。。。が江國香織の小説の好きなところなのだと、改めて思い知らされた。

 

「流しのしたの骨」

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子、笑顔が健やかで一番平らかな’小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族思いの父、の六人家族。ちょっと変だけど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

 

(感想)江國香織もあとがきで「よそのうちのなかは、複雑怪奇な森のように魅力的です」と書いています。

父、母、長姉のそよちゃん、次姉のしま子、19歳のこと子、弟の律…の5人家族が、とてもゆっくり時間が流れているような、白い柔らかなベールで包まれているような、不思議な家族だ。

特に「妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃんは、情緒不安定と言うか、デリケート過ぎて、実際、家族にいたら、すごく振り回されて疲れてしまうだろう。

とても不思議な空気感をかんじる家族でした。

 

 

「犬とハモニカ」

外国人青年、少女、老婦人、大家族……。空港の到着ロビーで行き交う人々の、人生の一瞬の重なりを鮮やかに掬い取った川端賞受賞の表題作。

恋人に別れを告げられ、妻が眠る家に帰った男性の心の変化をこぼさず描く「寝室」。

"僕らは幸福だ„ ”いいわ„ ——夫婦間の小さなささくれをそっと見つめた「ピクニック」。わたしたちが生きる上で抱え続ける、あたたかい孤独に満ちた、六つの旅路。

 

(感想)難しかった。六つの短編小説なのに、面白さが分からなかった。

 

「赤い長靴」

「私と別れても、しょうちゃんはきっと大丈夫そうね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うことと泣くことは、似ているから。結婚して十年、子供はいない。繊細で透明な文体が切り取る夫婦の情景——幸福と呼びたいような静かな日常、ふいによぎる影。何かが起こる予感をはらみつつ、かぎりなく美しく、少し怖い十四の物語が展開する。

 

(感想)結婚して十年、子供はいない夫婦の話。

これは私も共感できる所があった。職場の人間関係よりも、学生時代の友人関係よりも、夫の親戚関係よりも、結局は夫といる方が落ち着く。。。夫には色々と不満はあるけれど。

また、夫が妻のことを必要以上に心配したり、過保護になったり、妻が夫のだらしない所を、不満に思いながらも許してくれたり、面白がったりが、子供がいない夫婦の、相手の中に子供っぽい所を、求めているように感じた。